最初は…
いくらフリガナふったって やっぱ「作況指数」の話しは 子どもには難しかろうと思ったんです。 でも、ウルトラセブンのノンマルトの話しだって、自分が(子どものとき)リアルタイムで見ていたあのドラマに、ああも深遠な背景があるとは思っていもいないわけで、そもそも。こちらがステレオタイプに思っている「子ども向け」っていう概念の方に問題があるのかもしれません。同様に、この「こども東北学」ほど悲惨で、ややもすると絶望的な「被災地のきみへ」から始まる「子ども向け」もないもんだと思ったのですが、このことについても「これから限りなく広がっていく夢」みたいな「子ども向け」って、これほど胡散臭いものもないわけです。だから、逆に言えば、この本が、とてもリアルに語りかけてくれているだけ… つまり、良心的なんだと思います。 この本を手にとったのは『「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ』を読んでいたことに拠るんですが、やっぱり私小説的な社会学って、ぐいぐいきます。 読んでるうちに、子ども向け云々のところは全部とんでしまって、気がつくと50歳の僕がずんずん引き込まれていました。 山内さんの場合、ずっと現場とは無縁の東京という都市空間にいて評論然として文章を書かれているわけじゃない…団塊の世代好みな言い方をすれば「土の匂いがする」文章をお書きになっているわけです。 だから、この文章は 僕が、これのひとつ前に書いたコラムでいうところの「提案/提言」の類いではないと思います。ちゃんと山内さんのリアルがあって、悩みや宿痾をみんなさらけ出すように書いていらして 評論かな感じの「絵空事」感がないんです。 それ故に「こども『東北学』」という意義もあるんでしょう。 テレビや新聞からは得られない情報ですし ネットの中にも、これだけの筆力のある方は、そう滅多にいらっしゃらないと思います。 『「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ』よりさらに切迫している状況もみてとれます。 あとは、この本を読んだ僕がどうするか… 学校の宿題なら「忘れた」で誤摩化せますが、いい歳になっちゃってますから そうもいかないはずです。 こども東北学 山内 明美 著 イーストプレス 刊(よりみちパンセ) 2011年11月 発売 by at_masaqui | 2011-11-26 03:17 | 地方/地域
|
カテゴリ
こちらもよろしく
以前の記事
ファン
|